Steve Jobs、正式CEO就任までの軌跡

このお話は2000年1月、MacWorld SF(Jobsが正式なCEOに就任したことを発表)直後に書いたインチキ話です。事前情報では、
■PowerMac G4のデュアルCPU化
■新しいPowerBook G3(コード−ネーム"Pismo")の発表。外装に真珠貝の飾りがあるという眉唾な噂が流れていた^^:
■オリジナルiMacの17インチモニタ化
なんてハードウェアの登場が噂されてました。が、いずれもこの日は発表されず、発表されたのはApple Works 6(その後、Snow Leopardまで現役だったことを考えると感慨深い)、Mac OS Xのインターフェース"AQUA"、今のMobileMeの原形であるiTools、そしてSteve Jobsが正式CEOに就任したこと。今にして思えばなかなか興味深い発表なのですが、新しいハードウェアが無いのにはちょっとガッカリ。そこででっち上げたのがこのお話です(ところで、ポールって誰なんだ?)。
2011年10月6日

(以下、全くのフィクションです。登場する組織、人物、製品は実在するものと全く関係ありません。文章の論理整合性もあまりありません。悪しからず)


「スティーブ、ちょっといいかい?」

「やぁ、ポール。丁度良かった。今、キーノートスピーチの練習をしていた所なんだ。まず、PowerBook G3 2000を出してあっと言わせて、次にiMacのBig Monitorをドドっと発表。続けてOS Xのクールなデモをしばらくやって、ぐうの音も出ないうちに、PowerMac G4の紹介をするのね。まぁ、これはCPUを発表当初のものに戻しただけだから、やや受け、って感じ。でさぁ、いっぺん帰りかけて『おっと、一つ言い忘れていたことがあった』とやるワケね。で、『実は、このスーパーコンピューターにCPUをもう一つ載せることができるようになったんだ』。これで、バカ受け。スーパーコンピューターより速いハイパーコンピューター、なんて言っちゃったりしてさ。あ、『ハイパー』なんて言うと、『そー言えばハイパーカードはどうなった』なんて絡まれたりしてさ。あはは。」

「それが、スティーブ、デュアルG4 Macなんだが...どうも、発熱の問題がまだ解決できないんだ。」

「何?」

「発熱の問題を解決するために大型のヒートシンクを設計したんだが...あまりに大きすぎてPowerMac G4の蓋が閉まらないことが解ったんだ」

「・・OK、ポール。心配は要らない。じゃ、ショーのラストはPowerBook G3 2000に変更だ。あれだけ噂に上がったマシンだ、いつ出すかいつ出すかと観客はジリジリしてるワケね。でも、俺、PowerBookのパの字も言ってあげないの。わはは。散々、焦らせといて、最後に『おっと、一つ言い忘れていたことがあった』。いやもう、中年ならではの、ねっちこい手練手管。我ながら、憎いね、この。ノープロブレム。完璧だ」

「申し訳ない、スティーブ、PowerBook G3 2000なんだが...ハードウェアの問題で出荷が遅れそうなんだ」

「何??」

「実は、PowerBook G3 2000の外装を飾る真珠貝の貝殻が必要数用意できなくて...。ハマグリの貝殻なら何とかなりそうなんだが」

「・・・OK、ポール。ノープロブレムだ。真珠貝で飾ったPowerBookは僕のアイデアだ。仕方がない。ラストはBig Monitor iMacに変更だ。期待していたハードウェアの発表がなかなか無い。聴衆はもう、ジリジリしちゃう。で、俺、帰ろうとしちゃうの。で、おもむろに『おっと、一つ言い忘れていたことがあった』。『今日、iMacにビッグなブラザーが誕生したんだ』、なんてね。観客、バカ受け。あ、Big Brotherなんて言うと、例の「1984」のCFにかけて、絡まれたりしてね。あははは。」

「スティーブ、大変言い難いんだが...Big Monitor iMacもしばらく出荷できそうにないんだ」

「何ぃ!!」

「もちろん、Big Monitor iMacはハードウェア、ソフトウェアともに完璧に仕上がっている。生産設備もパーフェクトだ。ただ、その、箱が...」

「箱?」

「そう、箱。外箱の強度に若干の問題があって、その...Big Monitor iMacを入れて持ち上げると、外箱の底が抜けてしまうことが解ったんだ」

「・・・・」

「スティーブ、本当に済まない。なんて言ったらいいか...折角の地元でのEXPOなのに...この上は、ジャパンのニンジャに倣って私がハラキリを...これが、私の辞世のハイクだ」

「OK,OK,OK、ストップ、ポール。ノープロブレムだ。」

「しかし、スティーブ他に紹介すべきハードウェアは全く...」

「ビッグニュースだ。新CEOがAppleに就任する」

「新CEOって、一体誰が?」

「俺に決まってるじゃん」

「しかし、スティーブ、君は今まで強硬に正式CEOに就任することを拒否していたじゃないか」

「んなわけ、ないじゃん。だって、Apple、俺が作った会社だよ。でもさぁ、飛び出る前はいつも目の上にタンコブが居たからさ、好き勝手できなかったのよ。ところが、今度はタンコブは居ないし、取締役はダチばっかだし、もう好き放題やり放題」

「しかし、スティーブ...」

「そりゃまぁ、最初の頃はウチ、マジでやばかったからさ、居座るつもり無かったんだけど、iMacのギャンブルが吉と出たじゃない?もう、ワシ、離れるつもり、無いけんね。」

「だったら、スティーブ、その、今まで『暫定』にこだわっていたのは?」

「だから、洒落よ、洒落。interim CEO、略してiCEOじゃん。ほら、iMacに掛けてさぁ。俺って、ほら、これで結構シャイなところあるからさ、自分では『iCEOと呼んでね』なんて言い出せないのよ。ようやく、去年あたりからiCEOって呼ばれるようになったから良かったけどさぁ」

「でも、スティーブ、それだけで聴衆が果たして満足するか....。それに、せっかく上がってきた株価にも悪い影響が」

「お前、甘いねぇ。俺の『現実歪曲フィールド』の力、解ってないね。ATフィールド何かより、よっぽど強力よ」

「だが、スティーブ...」

「あー、分かった分かった。論より証拠。それ、現実歪曲フィールド全開ぃ!」

「ああ、スティーブ....君は....素敵だ....(以下、自粛)」


(以上、全くのフィクションです。登場する組織、人物、製品は実在するものと全く関係ありません。文章の論理整合性もあまりありません。悪しからず)